2004-05-01から1ヶ月間の記事一覧

5月15日、18日、25日、29日の日記を追加しました。

みんな誰かを殺したい

射逆裕二*1(2004.05)角川書店 ISBN:404873539X 【ミステリ】 みんな誰かを殺したい。そして実行に移した彼らの運命は――。第24回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作。 作者には失礼だが、意外に面白かった。今年の横溝正史賞は豊作だったと言えるのではない…

更新しない間は吉川良太郎『ギャングスターウォーカーズ』(光文社カッパ・ノベルス)、同じく吉川良太郎『ボーイソプラノ』(徳間書店)、伊坂幸太郎『チルドレン』(講談社)、青井夏海『陽だまりの迷宮』(ハルキ文庫)、村崎友『風の歌、星の口笛』(角…

風の歌、星の口笛

村崎友(2004.05)角川書店 ISBN:4048735403 【SF/ミステリ】 異変を起こし始めた世界を調査する探偵。二十五光年の距離を越えて惑星へ降り立った研究員。記憶の中に存在している恋人を追い求める若者。三つのパートが織り成す物語とは。第24回横溝正史ミ…

チルドレン

伊坂幸太郎(2004.05)講談社 ISBN:4062124424 【ノベル/ミステリ】 作者曰く――短編集のふりをした長編小説です。 苦言から書いてしまおう。五本の短編を繋ぐ影の主役・陣内はきわめて一般受けしそうなキャラクターで、気取らず適度にガサツで表面上は無茶…

誰もわたしを倒せない

伯方雪日(2004.05)東京創元社 ISBN:4488017053 【ミステリ】 これが初の著書となる新鋭による、格闘技と本格ミステリのコラボレーション。〈ミステリ・フロンティア〉第五回配本。 これまでの〈ミステリ・フロンティア〉既刊とはまた違った意味で、まった…

探偵伯爵と僕

森博嗣(2004.04)講談社 ISBN:4062705702 【ミステリ】 〈ミステリーランド〉第四回配本中の一冊。His name is Earl. 森博嗣は人間の思考や意志を(善悪の概念とは関係無しに)美しく描くことのできる稀な作家だと思う。本書にもその長所は現れている、とい…

『臨場』横山秀夫(2004.04)光文社 ISBN:4334924298 『探偵伯爵と僕』森博嗣(2004.04)講談社 ISBN:4062705702 『いつか、ふたりは二匹』西澤保彦(2004.04)講談社 ISBN:4062705710 『硝子のハンマー』貴志祐介(2004.04)角川書店 ISBN:4048735292 『孤…

臨場

横山秀夫(2004.04)光文社 ISBN:4334924298 【ミステリ】 その能力の高さ故に〈終身検視官〉と称される捜査一課調査官・倉石の事件簿。八編収録。 いやはや面白い。現時点における著者の最高傑作『第三の時効』に次ぐ完成度を有していると言えるだろう(「…

4月22日、23日、30日、5月1日、2日の日記を追加。次の更新時には森博嗣『探偵伯爵と僕』(講談社/ミステリーランド)の感想を書きたいと思うが、それにしても『フラワー・オブ・ライフ 1』(よしながふみ/新書館)が面白く、感想書きどころではない。…

シュプルのおはなし

雨宮諒(2004.04)電撃文庫 ISBN:4840226601 【ライトノベル】 おかあさんが仕事に出かけているあいだ、シュプルはおじいちゃんの家に預けられる。ある日、物置部屋で木箱を見つけたシュプルは確信した、「これはおじいちゃんの宝箱だ!」――幼い子供が想像の…

平井骸惚此中ニ有リ 其貳

田代裕彦(2004.04)富士見ミステリー文庫 ISBN:482916252X 【ミステリ】 骸惚先生探偵譚、今回のお題は〈嵐の山荘〉でございます。編集者・香月緋音嬢のお誘いで、山奥のホテルへ意気揚々と避暑に向かった骸惚先生ご一行。そこにいたのは不愉快な性格の華族…