2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ただいま蔵書を整理中。それに関連して、以前読んだ作品をなんとなく読み返してみたりしている。三浦明博『滅びのモノクローム』(講談社/第48回江戸川乱歩賞受賞作)、村雨貞郎『マリ子の肖像』(文藝春秋/第4回松本清張賞受賞作収録)など。『滅びのモ…

第50回江戸川乱歩賞受賞作、神山裕右『カタコンベ』(講談社)を読了する。受賞してからの手直しが上手くいったのか、それとも最初からこれくらいの完成度を有していたのかはよく判らないが、予想よりもよく出来ていて、楽しめた。縮小再生版『ホワイトアウ…

清涼院流水『とくまでやる』(徳間デュアル文庫)をさらりと読み終える。作中で発生している事象は非常に派手なのだが、決定的に筆致が地味という不思議な作品。昔の印象と違い、落ち着いた書き手になっている事実に驚いた。手間は結構かかっているように思…

殊能将之『キマイラの新しい城』(講談社ノベルス)読了。ミステリ・コメディ*1の快作。私見では、殊能作品においてミステリはおもちゃにされるだけであり、その弄び方に中途半端な批評性が入ってくるから正直言って彼の作風は好みではないのだけれど、あか…

エリザベス・ボウエン『あの薔薇を見てよ』(ミネルヴァ書房)を引き続き快調に通読中。とはいえ、ここに収録されているような上質な短編を次から次へと読み散らしてしまうのはなんだかとても意地汚い行為のように思えてしまうので、毎晩一、二編ずつ堪能し…

日向まさみち『本格推理委員会』(産業編集センター)読了。これは少し考えてから感想を書きます。最大の武器はキャラクターが楽しいところ、最大の弱点は長すぎるところ。400ページに迫る長さに比すほどのストーリーが語られるわけではないので、やっぱりも…

一日じゅう本を読んで文章を書いて部屋の掃除をしていたら疲れてしまった。今日はもう寝る。目も疲れたし。でも、たまにはこういう日があっても良いと思う。 日向まさみち『本格推理委員会』(産業編集センター)は半分を過ぎたところ。

廣真希『量子館殺人事件』(暖流社)読了。次の次くらいに読もうと思いつつ序盤をぱらぱらと捲っていたら、あっという間に読み終えてしまった。タイトルが『量子館殺人事件』、しかも帯に「スチームパンク探偵小説」とあるので如何にも怪しい本だと思いつつ…

現在、さらに日記改造中。西澤保彦『パズラー』(集英社)と沢村凛『カタブツ』(講談社)の感想を手直しし、花田一三六『八の弓、死鳥の矢』(角川書店)と倉阪鬼一郎『42.195』(光文社カッパ・ノベルス)の感想を独立させ、池井戸潤『金融探偵』(徳間書…

戸松敦矩『名探偵は九回裏に謎を解く』(創元推理文庫)読了。ご町内ミステリと呼ぶのがぴったりな内容で、爆破騒ぎも誘拐事件も舞台となるこの町内では明るいお祭り騒ぎに等しい、という遊戯的な空気が遵守されている。その割に真相がやや生臭いのは減点材…