山本弘『審判の日』(角川書店)を読み終わった直後だったので、なんとなくさっさと買ってさっさと読んでしまった村上春樹の『アフターダーク』(講談社)。そこそこに興味深い内容でそこそこには楽しめたものの読後感は中途半端で、この程度の要〈読み解き〉小説を読むくらいならジーン・ウルフの『ケルベロス第五の首』*1国書刊行会)を読んだほうが有益だったか、とちょっと思った。大丈夫なのか村上春樹は。

アフターダーク*2

*1:読み解きが第一義となっている小説はあまり読む気がしないのだが……。

*2:装丁は和田誠。井上剛の『マーブル騒動記』(徳間書店)といい丸谷才一の『輝く日の宮』(講談社)といい、このひとの装丁の力量も年々微妙になってるな。