明治六年の横浜居留地を舞台とした新鋭の連作と、昭和九年を舞台とした中堅作家の自転車冒険小説。前者はミステリ・フロンティア、後者はハヤカワ・ミステリワールド(『銀輪の覇者』の装画って、けっこう意表を衝いたもののような気がする)。翔田寛は傑作短編「奈落闇恋乃道行」を書き上げた実力派、斎藤純は久々のミステリ系新作(最近は恋愛・官能小説系の新作が多かったので)。また私立探偵小説系の作品書いてほしいなあ。好きなんですよ、『黒のコサージュ』とか。