アン・ペリーのミステリが久々に翻訳されたのは嬉しい。『娼婦殺し』(集英社文庫)に続くピット警部シリーズの長編。『見知らぬ顔』で始まった創元推理文庫のウィリアム・モンク警部シリーズは二冊で紹介が止まってしまい(本当は、こちらのほうが面白い)、ヴィレッジブックスから刊行された中篇『フランス革命夜話』もファンの渇を癒すとまではいかなかった。せめてピット警部のシリーズだけでも翻訳を継続してほしい。
 『星の牢獄』は装画に惹かれて購入。『幽霊には――』は、装丁や内容よりも作者あとがきに惹かれて購入を決める。〈軽い作品読みたい症候群〉は未だ継続中。

 なお、「警告! 本書は暴力描写・性描写を過剰に含んでいます あなたの精神的健康を損なうおそれがありますのでご注意ください」という惹句に興味を覚えて豪屋大介『みなごろしの学園 デビル17(1)』(富士見ファンタジア文庫)も手に取ってみたが、ぱらぱらと読んでみて「そういえば横溝美晶っていま何してるんだろうな」と思った。横溝美晶って御存知ないですか。『湾岸バッド・ボーイ・ブルー』(双葉文庫)とか『ツウィンカム野獣伝』(フタバノベルズ)とか『媚獣学園』(天山ノベルズ)とか。どうして読んだのかまるで覚えていない『媚獣学園』を懐かしく思い出してしまった。