翔田寛『消えた山高帽子 チャールズ・ワーグマンの事件簿』(東京創元社)は叢書〈ミステリ・フロンティア〉中、最もミステリとして充実した作品だと思う。
小野寺健編訳『20世紀イギリス短編選(上)』(岩波文庫)が面白くて仕方がない。とりわけヴァージニア・ウルフ「キュー植物園」の上品な佇まいに脱帽。
村田喜代子の最新刊『百年佳約』(なんとあの傑作『龍秘御天歌』の続編だ!)を読んでいて気づいたが、一青窈ハナミズキ」の中に出てくる「君と好きな人が百年続きますように」というフレーズは、おそらく朝鮮語の〈百年佳約〉(日本語で言えば共白髪)から採られたものなのだな。

 以上メモ三点。