また熱を出しました。いったい今年何度目なのか。
 蒲柳の質という柄でもないのだけれど、気分はすっかり弱気モード。その最中に某俳優の自殺未遂(?)ニュースを目にして「健康な奴が命を粗末にするな!」と妙な怒りに駆られ、結果的にそれが良かったのか仕事に向かう元気が出る。
 チャールズ・バクスター『愛の饗宴』(早川書房)を読み終えたあとは芦辺拓紅楼夢の殺人』(文藝春秋)をゆっくりと読み進めているが、いろんな意味で電車内読書に向かない本なので、デイヴィッド・フルマー『快楽通りの悪魔』(新潮文庫)をバッグに入れて出掛け……た筈なのに、なぜかバッグの中に入っておらず、手持ち無沙汰と気持ちの悪さ(おなかいたい)に耐えながら時を過ごす。数時間後、仕事が終わり、少し気分が良くなりつつも疲れと熱で体はふらふら、しかし書店にはしっかり立ち寄って本を物色したところ、星新一『祖父・小金井良精の記』(上下巻、河出文庫)が文庫になっているのを見つけ、驚いて購入。読み始めたら、予想以上に面白いのね。いっとき、体の不調を忘れて読み耽る。
 しかし帰宅するや否や矢張り倒れ込んでしまう。そのまま朝を迎えられたら良かったのだが、変な時間に眼が覚めてしまい……こうして日記を書いているというわけです。熱は下がったみたいだけど、この腹痛はなんとかならないものか。気分直しにさっきから伍芳(中国古筝の弾き手)のベスト・アルバム『万華鏡』を聞いています。ふう。