進まぬ読書

 この日記は基本的に読了本の感想がメインなので、更新するためには本を読み終えなければならないが、最近手に取った三作品、いずれも最後まで読みきることができなかった。暗い気持ちで高野和七姫物語』(電撃文庫)を読み始めたら、するりと読了することができて救われた気分になる。注文が無いわけではないが、これは佳作(感想は後日書くつもり)。早速次巻を買い求めるため書店に向かったら、『ファウスト』のvol.2が平積みされていたので一緒に買ってみる。創刊号は購入しなかったが、今回はトム・ジョーンズの「コールド・スナップ」が楽しみ(舞城王太郎訳という点が懸念されるところだが、仕方あるまい)。
 一方、楽しみにしていたマイクル・ディブディン久々の翻訳作品(で、たしかデビュー作の)『シャーロック・ホームズ切り裂きジャック』(河出文庫)は、帯を見た瞬間にどんな結末か判ってしまったような気がして購入を見合わせてしまった。これは版元の責任というより、ディブディンという作家の強烈な個性のためだ。何せ『ラット・キング』(新潮文庫)を書き『血と影』(ミステリアス・プレス文庫)を書き『ダーティ・トリック』(扶桑社ミステリー文庫)を書いた作家なのだから!(……とはいえ、いずれ読むんだろうな。体調の良くないときにディブディンの作品など決して読みたくないが、それでも気になってしまう一種の魔力を彼は持っている)